今回は三叉(さんさ)神経麻痺についてお話していこうと思いますが、皆さんは脳神経についてどれだけ知っていますか?
まずは、脳神経とはどんなものなのかお話していきましょう。
1.脳神経の役割
脳神経は主に頭頚部の筋肉、皮膚、特殊感覚器(鼻、眼、耳)に分布しています。
この脳神経は大脳(Ⅰ、Ⅱ)、脳幹(Ⅲ~Ⅻ)から出て頭蓋底の孔を通っています。
ちなみに脳神経麻痺の状態(評価)によって、脳底・頭蓋底の病変部位をある程度予測する事が出来ます。
Ⅰ・Ⅱ以外の脳神経は脳幹にあり、Ⅲ・Ⅳは中脳、Ⅴ~Ⅷは橋から、Ⅸ~Ⅻは延髄から出ています。つまり「こんな症状がある!」といった場合、その症状はどの神経がおかしくなっているのか見当が出来ますし、その神経はどこから繋がっているかでなんとなくこの辺りが悪くなっているのかな?という事も知る事が出来ます。
さて、難しい単語や英数字が出てきましたが、単語について意味が分からないものは調べてみてください。英数字については次で説明していこうと思います。
2.脳神経の機能や症状
脳神経は12対からなります。名称や機能、障害による主な症状が以下となります。
こんな感じで神経の障害によってさまざまな症状が身体に発生します。
この中から三叉神経について詳しく話していこうと思います。
口腔の周辺には三叉神経や顔面神経が張り巡らされており、口のなかの感覚や咀嚼(そしゃく)運動、また複雑な顔の表情をつくる機能をもっています。さらに口の奥のほうには、舌咽(ぜついん)神経や舌下(ぜっか)神経などもあります。
これらの神経に関係したさまざまな神経痛や神経麻痺が口腔や顔面に発生しますが、頻度が高いのは三叉神経痛と顔面神経麻痺です。
3.三又神経痛(さんさしんけいつう)
中枢性の三叉神経障害によっておこる真性三叉神経痛と、末梢領域のいろいろな原因によって二次的におこる症候性三又神経痛とがあります。
真性三叉神経痛は、これまで原因不明とされていましたが、最近では頭蓋(とうがい)内で三又神経が血管に圧迫されておこると考えられています。また、脳腫瘍(しゅよう)が三叉神経を圧迫したり、癒着することによってもおこることがあります。
一方、症候性三又神経痛は、歯や副鼻腔の炎症性病変が原因となります。
【症状】
真性か症候性かにかかわらず、痛みは顔面や口腔の左右どちらかにみられます。三叉神経の三つの枝(眼神経、上顎神経、下顎神経)のどれが関与しているかによって痛みの部位は異なりますが、真性では突然ビリビリッと激しい痛みがみられるのが特徴です。また、この痛みは短時間でおさまりますが、繰り返しておこります。また、発作は摂食、洗顔、歯磨きなどの刺激によって誘発されやすく、特定の部位への刺激が引き金となっています。
一方、症候性のものでは、ビリビリとした痛みだけではなく、ズキズキやチクチクといった痛みの程度やその痛みの範囲もさまざまです。
【病院での治療】
基本的には薬物療法や保存療法、手術となります。
症候性のものは、原因を精査し原因疾患の治療を行います。
真性の場合は、抗けいれん薬のカルバマゼピンが有効といわれています。
薬物療法が効きにくい場合には、神経ブロックが行なわれてきましたが、近年では頭蓋内における三叉神経の減圧手術が脳神経外科において行なわれているようです。
4.顔面神経麻痺(がんめんしんけいまひ)
顔の表情をつかさどる神経を顔面神経といいますが、その麻痺により顔の表情の麻痺という見た目の障害をおこすだけでなく、涙腺(るいせん)や唾液腺の分泌障害、味覚低下などもおこります。
【原因】
寒冷刺激、局所の循環障害、ウイルスの関与などがあげられています。また外傷や手術による神経の切断、耳下腺などの炎症や悪性腫瘍によっておこる場合もあります。最も頻度の高いものはベル麻痺で、その原因は確定されてはいませんが、1型単純ヘルペスウイルス感染の関与が示唆されています。
【症状】
額の皺(しわ)が消え、皺を寄せようとしてもできない、瞼を閉じようとすると白目の部分が見えるようになる、上瞼がたれる、口角が垂れる、口笛が吹けない、よだれが垂れるなどの症状がみられます。
【病院での治療】
治療はビタミン剤、循環改善剤、副腎皮質ステロイド薬、抗ウイルス薬の投与、星状神経節(せいじょうしんけいせつ)ブロック、低周波などの理学療法があります。手術としては顔面神経開放術(がんめんしんけいかいほうじゅつ)、神経吻合あるいは移植術が行われます。
5.最後に
脳神経の異常というものは非常にデリケートな部分が多いです。しかし、軽度や中度の症状であれば手術をしなくても当院の整体と生活習慣の改善などを並行して行なう事で重度になる前に改善させることも可能です。
まずは、当院へご相談ください!症状に対しての詳しい説明や改善の方法など一緒に流して悩みを解決しましょう!!