誰もがなるかもしれない認知症について

誰もがなるかもしれない認知症について

認知症とは?

思考・判断・会話・・・・など、人とコミュニケーションを取ったり、日常生活を営む上で欠く事の出来ない能力を認知機能と言いますが、この能力が何らかの原因で障害されてしまった状態を「認知症」と言います。

認知症になると、認知機能障害だけでなく、認知機能の低下に伴って精神的に不安定になったり、徘徊などの問題行動が現れる事があります。

認知症の主な種類は、アルツハイマー型認知症レビー小体型認知症脳血管性認知症のいずれかが大半を占めます。これらは「三大認知症」と呼ばれています。

認知症は根本解決が難しいとされていますが、原因によって、治せる認知症もあります。正常圧水頭症、甲状腺機能低下症、慢性硬膜下血腫などがそうです。

認知症の症状ですが、「中核症状」「周辺症状」の2つに分けられます。

主な中核症状・・・・記憶障害、失語、失行、失認、実行機能障害など

主な周辺症状・・・・幻覚、妄想、睡眠障害、徘徊、失禁、抑うつ、不安、依存、暴力など

中核症状は認知症を発症すれば、ほとんどの方に見られる症状です。それに対して周辺症状は個人差があります。

原因は?

認知症は、脳に病的な異変が生じて、認知機能が著しく低下する病気です。

その異変をもたらす原因疾患は約70種類あると言われていて、大きく「脳内疾患」「感染性疾患」「その他(内分泌・代謝性・中毒性疾患)」の3つに分けられます。

  • 脳内疾患・・・・脳の病気や怪我によって神経細胞が障害されておこるもの 

・アルツハイマー病、脳卒中など

  • 感染性疾患・・・・なんらかの菌に感染したために神経細胞が障害されておこるもの

・HIVによるエイズなど

  • その他(内分泌・代謝性・中毒性疾患)

・ホルモンバランスに異常をきたす病気など

認知症の原因の大半は①になります。②と③は、原因疾患の治療を通して認知症を軽くしたり、治したりできます。

医療機関での検査

一般的には記憶力や判断力などを調べる認知機能テストを行います。それで認知症の可能性が高いと診断された場合は、以下の検査を行います。

  • 全身の状態を調べる検査

・・・・血液検査、尿検査、心電図検査、X線検査など

  • 脳の内部を調べる検査

・・・・CT、MRI、SPECT、PETなど

  • 運動機能や神経の働きを調べる検査

・・・・言葉の障害や麻痺の有無、筋肉の硬さなど

以上の検査結果と認知機能テストの結果、認知症と診断された場合は、進行に応じて治療が行われます。

治療は、その原因となる病気によって内容が変わります。しかし、残された身体的・精神的機能を出来るだけ長く維持することを目標にする点は、共通しています。

認知症の治療は、以下の3つでアプローチします。

  1. 薬物療法・・・・認知機能障害の進行を防ぐ薬、認知症の周辺症状を軽減する薬
  1. 非薬物療法・・・・残された機能を維持・向上させる
  2. 介護・・・・安心・安全の感覚を与え、機能を維持・向上させる

 

認知症を発症した場合は、症状を軽減させたり、症状を遅らせるための治療を行います。認知症は根本解決は難しいとされています。

なので少しでもかかる確率を下げるために、生活習慣を気を付ける事が大切です。例えば脳卒中が原因の場合、主な血管トラブルには出血と梗塞がありますが、出血は高血圧、梗塞は高血圧や糖尿病などの生活習慣病が原因です。

その生活習慣病は、塩分、過食、運動不足、喫煙などによってもたらされます。なので生活習慣を正すことで、認知症発症の確立を下げる事が出来ます。

認知症の予防

生活習慣病(高血圧、高脂血症、糖尿病、メタボリックシンドロームなど)が、アルツハイマー病の危険因子だと言われています。

それは生活習慣病が脳への酸素や栄養を送る血管にダメージを与える病気だからです。では生活習慣病の予防はどうすればいいのでしょうか?

大きく分けて「食事」「運動」の2つを見てみましょう。

・食事

 食事で気を付ける事は、「過食」「塩分」「栄養」です。塩分の摂り過ぎは高血圧を引き起こします。また、塩分の多い食事は食欲を増し、過食・肥満を招きます。栄養バランスを考えつつ腹八分、減塩を心がけましょう。

・運動

 生活習慣病の予防が目的なら、激しい運動・スポーツを無理にやる必要はありません。先ずは日常生活で少し運動量を増やす事を意識しましょう。

例えば、エレベーターを使わずに階段を使う。近い場所なら自転車や車を使わずに、歩いていく・・・・などです。

これらが習慣として身に付いたら、ウォーキングを取り入れると良いでしょう。ウォーキングも最初は短い時間で無理せず行い、最終的には30分ウォーキングを週2回やれば十分です。

他にはラジオ体操、ストレッチ、筋力トレーニングも効果的です。勿論どれをやっても大丈夫です。必ずこれをやらなくてはいけない!ということはありません。大事なのは自分に合ったことを、自分の体力に合わせて無理せず続けていく事です。

最後に

認知症について理解は出来ましたか?発症すれば根本改善は難しいですが、進行を遅らせる事は可能です。仮になってしまっても、「充実した日々をイキイキと過ごす」事が大事です。それと、日常生活の積み重ねが健康を作っていく事を意識しましょう!